专利摘要:

公开号:WO1991019031A1
申请号:PCT/JP1991/000767
申请日:1991-06-03
公开日:1991-12-12
发明作者:Kotaro Ono
申请人:Washi Kosan Co., Ltd.;
IPC主号:D03C9-00
专利说明:
[0001] 明細書 編織機、 縫機用工具 技術分野
[0002] この発明は、 丸編機、 横編機、 経編機などの編機や、 織機 における編成 ·織製要素、 あるいはタフテツ ド機などの縫機 における縫製要素として用いられる編織機、 縫機用工具に関 するもので、 特に、 糸との接触あるいは摩擦により摩耗しや すい条件下で好適に使用されるようになされた編織機、 縫機 用工具に関する。 背景技術
[0003] 従来、 丸編機、 横編機、 経編機などの編機や織機における 編成 ·織製要素、 あるいはタフテツ ド機などの縫機において は、 生地を製造するた'めに準備された糸が、 編機ではガイ ド などの編成要素を通じてニー ドルなどの編成要素へ給糸され て編成され、 織機ではヘルドと称される織製要素からリ一ド と称される糸分けのための織製要素を経て織製される。 また 、 縫機においては、 糸を縫製要素のニー ドルに通して生地に 突き刺すことで縫製が行なわれる。
[0004] 以上のうち、 丸編機や横編機等に使用される編成要素、 即 ち、 編針、 シンカー、 針釜、 編針の上下運動及びシンカーの 前後運動を司るカム、 給糸口などは編成中、 常に糸と接触し て擦られており、 長期間使用した場合、 糸の接触部に摩擦に よる糸溝などが生じ、 毛羽立ちや糸切れの原因となる。 また 、 編針、 シンカーを揺動するためにバッ 卜部とカムの摺動面 も摩耗する。 例えば、 F i g. 1に示すものは、 編機用のェ 具の一例であるシンカーであり、 主に丸編機に使用され、 F i g. 1中のバッ ト部 1 1はカム (図示せず) と接触して摺 動される部分であり、 喉部 1 2は編目を作る際に糸の摩擦を 強く うける部分である。
[0005] また、 F i g. 2は丸編機において使用される編針 1で、 この編針 1は別途の取付け部材に装着されて、 F i g. 3に 示される通常力マと呼ばれる工具の溝部 1 3 , 1 3 '内で上 下運動されるが、 この上下運動を円滑にするために表面の摩 擦係数を小さくすることが必要である。
[0006] また、 F i g. 4は横編機において使用される編針 1 4で 、 この編針 1 4はそのパッ 卜部 1 5が F i g. 5に示すカム 1 7の溝部 1 6に接触することで上下運動されるもので、 そ の上下運動時に両者の接触部分に強い摩擦力が働いて摩耗を 生じやすい。
[0007] さらに、 通常経糸が巻かれて機上に数セッ ト設けられたセ クショナルビームから編針列に対して経糸が供給されて編成 がなされる経編機においては、 セクショナルビームと編針列 との間に、 経糸を分けて寄り付きを防止するためのセパレ一 ター、 経糸を案内するためのガイ ド、 編目形成を行なうため のニー ドルが設けられており、 それ以外にも、 経編機の一種 であるラッ シヱル機においては二一 ドルの上昇時に編地を支 承するためのステッチコームが、 同じく経編機の一種である ト リ コッ ト機においては編目形成を助成するためのシンカー などの編成工具が、 更にジャガー ド機においては折曲げ可能 なフランチンガイ ドなどの編成工具が設けられており、 これ ら各工具も上述した編針や力マ、 カムなどと同様に、 編成中 は常に糸と接触して摩擦を受け、 長期間の使用により糸接触 部に糸溝等を生じて毛羽立ちや糸切れの原因となったり、 早 期摩耗を招きやすい。
[0008] 以上のことに鑑みて、 上記のような編成要素の耐摩耗性を 高めるために、 従来から各種の表面処理が行なわれていた。 その代表的なものとして、 硬質クロムメ ツキ処理や浸炭処理 、 溶射処理が知られている。 そのうち、 硬質クロムメ ツキの 場合は、 硬度 H V 1 0 0 0以上のものが得られないばかりで なく コス 卜高となり、 加えて、 表面の滑性により糸の滑りが 良く なるように考えられるが、 実際には糸が貼り付く ような 現象が生じて糸に強いテンショ ンが加わつた場合、 その糸が 食い込むように作用し、 糸溝の発生や早期摩耗は避けられな い。
[0009] また、 浸炭処理の場合は、 硬度に限界があり、 編成要素の ような肉薄のものでは、 内部にまで浸炭が進行して、 その靭 性を害することになる。
[0010] また、 以上のような表面処理の他に、 例えば特公昭 6 1一 1 7 5 1 8号公報に開示されているように、 真空技術の応用 例として、 イオンプレーティ ング法により窒化チタンなどの 高硬度被膜を形成することも知られているが、 この場合は、 靭性に乏しく、 摩擦係数も 0 . 4 9程度であり、 特に、 タン タル (T a ) 系やタングステン (W) 系などの超硬物質を使 用する場合は、 その融点が高いために処理温度を非常に高く とる必要があり、 実質的に実施が困難である。
[0011] また、 織機において、 通常使用される織製要素の代表的な ものとして、 ヘルドとリー ドが挙げられる。 これらの素材は ステンレス鋼の S U S— 4 3 0、 S U S— 3 0 4の線材を圧 延するか、 もしく は板材を打ち抜いて所定の形状に加工され る。 これら織製要素も当然、 織製動作中に糸との接触および 摩擦を生じるために、 その表面にバレル研磨、 電解研磨など の表面処理が施されて使用される。 しかし、 近年における織 機においては、 性能の向上および織製方式の進歩とともに、 特に長繊維にあってチタン金属を含有する糸が使用されるよ うになり、 そのため上記のような表面処理が施されているに もかかわらず織製要素の糸との接触部が急激に摩耗し、 工具 全体の消耗を早める結果を招いている。
[0012] また、 織機における横糸の搬送手段として用いられるゥォ 一夕一ジエツ トルームでは、 ヘルド部が水でぬれるために、 隣接するヘルド同志が吸着し合い、 経糸の開口の障害になる とともに、 糸を通している穴部における糸の摩擦の増大リ一 ド部において、 所定の織幅に経糸を収束させる作用があつて 、 リ一ドの一定位置の側面が強く擦られて顕著な摩耗が生じ o
[0013] さらに、 織機における緯糸の搬送手段と して用いられるェ ヤージヱッ トルームでは、 上記のような状況に加えて、 糸に 含有される金属類、 あるいは表面形状の影響を受けて、 繰り 返し擦られるために、 摩耗が発生し、 工具の寿命を縮めてい o
[0014] 発明の開示
[0015] この発明は、 上記のような従来技術の背景に鑑みてなされ たもので、 機械的強度が高く、 耐食性および靭性に優れた非 晶質固体層からなる被膜を形成することにより、 糸との接触 、 摩擦に起因する摩耗を極力抑制して寿命の延長化を達成す ることができる編織機、 縫機用工具を提供することを目的と するものである。
[0016] この発明に係る編織機、 縫機用工具は、 糸と接触あるいは 摩擦する編織製要素あるいは縫製要素が鋼材を主体と して構 成された編織機あるいは縫機の上記編織製要素あるいは縫製 要素の一部または全部に、 非晶質固体層からなる被膜を形成 することにより、 編成 ·織製時あるいは縫製時に糸と接触し たり、 摩擦する部分の摩耗を極力抑制することが可能で、 摩 耗にともなう毛羽立ちや糸切れといつた トラブルの発生を防 止することができるとともに、 被膜のもつ耐食特性により糸 やその設置環境を原因とする腐食を防止することができる。 しかも、 上記被膜が原子配列に規則性がなく、 結晶欠陥が均 —に分布している状態の非晶質固体層から形成されているの で、 この種の工具においては、 その機能を確実に発揮させる 上で必要不可欠な靭性を十分に確保することができる。
[0017] また、 被膜を形成する非晶質固体層の主成分として、 S i C、 A 1 9 0。 、 Z r 0 2 、 C r 23 などのセラ ミ ックを 使用することにより、 耐摩耗性を一層高めることができるの はもとより、 特に耐食性を向上して、 ウォータ一ジヱッ トル ームのように、 常時水に晒される条件下で使用される工具に 対して、 卓越した防鲭効果を奏し、 耐久性の著しい向上を達 成することができる。
[0018] また、 被膜を形成する非晶質固体層の主成分として、 タ ン タル系、 タングステン系などの高硬度金属を使用することに より、 被膜を硬度のきわめて高いアモルフ ァス合金とするこ とができ、 耐摩耗性の面で一層優れた効果を発揮させて、 特 にガラス繊維などの強化繊維を使用する条件下での耐久性の 向上に大きな効果を奏する。
[0019] また、 被膜を形成する非晶質固体層を厚い部分と薄い部分 とに分けて形成することにより、 糸との接触、 摩擦部分の耐 摩耗性は十分にしながら、 その他の箇所で、 特に曲げなどの 外力が作用する部分を薄い膜とすることで、 工具自体および 被膜の弾性を確保して、 外力の作用時にクラックが生じるこ とを防止し被膜形成による所定の効果を長期間にわたり保持 することができる。
[0020] 特に、 上記の非晶質固体層の厚い部分と薄い部分とを連続 して形成することにより、 被膜形成を容易に、 かつ能率的に 行なえながら、 耐摩耗性の向上およびクラック防止効果を達 成することができる。
[0021] ここで、 上記非晶質固体層の主成分としてセラ ミ ックを使 用する場合は、 厚い部分の厚さを 0 . l〜 5 mに設定する ことが好ま しく、 また、 主成分としてタンタル系、 タンダス テン系などの高硬度金属を使用する場合は、 厚い部分の厚さ を 1〜 1 0 〃 mに設定することが好ましい。
[0022] さらに、 編織製要素あるいは縫製要素の主体となる網材面 と被膜との間に、 予め金属メ ッキ層を形成することにより、 非晶質固体層の被着しにく い部位における防鐯効果を発揮す ることができるとともに、 非晶質固体層が被着しにく い下地 をもつ素材であっても、 所定の被膜を密着性良く形成するこ とができる。
[0023] さらにまた、 被膜を形成する非晶質固体層をスパッタ リ ン グにて形成することにより、 高電位で加速された原子の衝突 によって被膜形成されることとなり、 その被膜強度を極めて 大きくすることができるため、 強い靭性を有し、 かつ外力に よつても容易に剥離しない被膜を得ることができ、 しかも、 蒸発しにく い金属、 例えば T a系の金属を主成分とするもの であっても、 容易に、 かつ能率的に被膜を形成することがで きて、 耐摩耗性、 耐久性に優れた工具を生産性良く得ること ができる。 図面の簡単な説明
[0024] F i g. 1は従来の編織機、 鏠機用工具の一例であるシン カーを示す側面図、 F i g. 2は従来の編織機、 縫機用工具 の一例で、 丸編機に使用される編針の側面図、 F i g. 3は F i g. 2に示す編針を上下運動させるために使用される力 マの斜視図、 F i g. 4は従来の編織機、 縫機用工具の一例 で、 横編機に使用される編針の側面図、 F i g. 5は F i g . 4に示す編針を上下運動させるために使用されるカムの斜 視図、 F i g. 6はこの発明に係る編織機、 縫機用工具の一 実施例で、 編機、 縫機用工具の一例である編針に被膜を形成 する状態を示す正面図、 F i g. 7は縫針に膜厚の異なる 2 種の被膜を形成する状態を示す正面図、 F i g. 8は F i g . 7による被膜形成の対象となる編針を示す正面図、 F i g . 9はこの発明に係る編織機、 縫機用工具の他の実施例で、 経編機に使用されるグラン ドガイ ドブロックを示す斜視図、 F i g. 1 0は F i g. 9の A— A線に沿った拡大断面図、 F i g. l l〜F i g. 1 5はそれぞれ経編機に使用される 他の構成要素を示す斜視図、 F i g. 1 6は F i g. 6に示 すグラン ドガイ ドブロックにスパッタ リ ングにより被膜を形 成する場合に使用する真空装置の断面図、 F i g. 1 7およ び F i g. 1 8は F i g. 1 6の真空装置における要部の構 成およびその拡大を示す一部破断の斜視図、 F i g. 1 9は この発明に係る編織機、 縫機用工具のさ らに別の実施例で、 織機に使用されるウォータージエツ 卜ルームのリー ドの側面 図、 F i g. 2 0は F i g. 1 9の B— B線に沿った断面図 、 F i g. 2 1は F i g. 1 9および F i g. 2 0に示すゥ オータージエツ 卜ルームのリ一 ドにスノヽ0ッタ リ ングにより被 膜を形成する場合に使用する真空装置の断面図、 F i g. 2
[0025] 2は織機に使用されるエアージェッ トルームの側面図、 F i g. 2 3は同じく織機に使用されるウォータージェッ トルー ムのヘル ドの側面図、 F i g . 2 4は F i g . 2 3に示すゥ オータージエ ツ トルームのヘル ドにスパッ タ リ ングにより被 膜を形成する場合に使用する真空装置の要部の断面図、 F i g. 2 5はこの発明に係る編織機、 縫機用工具のもう 1つの 実施例で、 経編機に使用される二一 ドルおよびトングュニッ ト部を示す要部の斜視図、 F i g. 2 6はこの発明に係る編 織機、 縫機用工具のさらにもう 1つの実施例で、 細幅織機に 使用されるニー ドルおよび経糸挿入器を示す要部の平面図で ある。
[0026] 発明を実施するための最良の形態 まず、 この発明の実施例のうち、 丸編機、 横編機、 縫機に おける編成 ·織製要素について図に基づいて説明する。 なお 、 以下に示す編成,織製要素、 例えば編針、 シンカー、 ガイ ド類は、 その母材として、 J I S G 3 5 0 2に規定されてい るピアノ線もしく は J I S G 44 0 1に規定されている炭素 工具鋼を使用して作製されており、 いずれも 6 0 0〜 7 0 0 °Cの焼入れを行なつた後、 2 5 0 °Cの焼戻しを行なつたもの が用いられている。
[0027] F i g. 6はこの発明の一実施例で、 編機、 縫機用工具の 一例であり、 F i g. 2に示した編針 1にスパッタリ ングに より被膜を形成する状態を示す。 同図に示したように、 編針 1を固定台 2上に固定し、 その両側に各々 7 0 mmの距離を おいて T a系のターゲッ ト材 3および 3 'を並行に配置する とともに、 周囲の気圧を 1 0— 3T o r r程度に減圧し、 つい で、 アルゴンガスを注入して 1 0— 2に調整する。 この状態で 、 前記ターゲッ 卜材 3および 3 ' に直流電源の一側を接続し 、 真空容器 (図示せず) に 2 0 0 0 Vまたは 4 0 0 V 5 A の +側を接続し、 アルゴンガスをグロ一放電下にてイオン化 する。 イオンは T a系ターゲッ ト材 3および 3 'をスパッタ してスパッタ原子をはじき出し、 前記編針 1の表面に付着し 被膜を形成する。 ここで、 編針 1の表面積に対しターゲッ ト 材 3および 3 ' は十分に大きな面積を有しているので、 編針 1の全面に一様な被膜を形成することができる。 ちなみに、 約 3 0分のスパッタリ ングで、 5 〃の被膜が形成された。 な お、 T a系のアモルフ ァ ス金属層の摩擦係数は 0. 0 5〜 0 . 1 5で、 イオンプレーティ ングによるものの 3 0 %未満で め O o
[0028] F i g. 7は縫針に上記したスパッタリ ングにより 2種の 膜厚の被膜を形成する状態を示す。 この場合は、 F i g. 8 に示すような構造の縫針 5を固定台 7に固定し、 その両側に 各々 7 0 mmの距離を置いて W系のターゲッ ト材 4および 4 ' を並行に E置するとともに、 前記固定台 7に厚さ調整板 6 を £設する。 そして、 真空容器内を上記と同様に調整して、 この真空容器と前記ターゲッ ト材 4および 4 ' とに直流電源 2 0 0 0 Vまたは 4 0 0 Vを印加する。 この場合、 縫針 5に 対してターゲッ ト材 4および 4 'が十分に大きな面積を有し ているので、 スパッタ原子は編針 1の全面に均一に衝突する ことになる。 こ こで、 前記調整板 6の角度を調整することに より、 縫針 5の先端部 8および孔 9の周辺部に 1 0 / の膜厚 の被膜を形成するとともに、 ステム部 1 0に 1〜3 の膜厚 の被膜を形成する。 このときの電圧は 2 0 0 0 V, 0. 8 A 、 または、 4 0 0 V, 5 A、 所要時間 4 0分で、 加工中の縫 針 5の温度は 2 5 0 °Cである。 なお、 W系のアモルフ ァス金 属層の摩擦係数も 0. 0 5〜0. 1 5で、 イオンプレーティ ングによるものの 3 0 %未満である。
[0029] 次に、 この発明の他の実施例のうち、 経編機に使用される 工具について説明する。
[0030] F i g. 9はガイ ドバー (図示せず) に装着するためのグ ラン ドガイ ドブロックであり、 2 1は保持部で、 錫合金から なる素材により構成されている。 2 2は鋼材より構成されて いるガイ ドピースである。 このガイ ドピース 2 2は、 F i g . 1 0に拡大して示すように、 その外周面の全周に非晶質金 属層の被膜 2 3が形成されている。 この非晶質金属層 2 3は 、 例えばスパッタ リ ングにより形成されるもので、 T a、 W の他、 チタン (T i ) 、 ジルコニウム (Z r) 、 チタン一夕 ングステン合金 (T i W) 、 窒化チタン (T i N) などを使 用している。
[0031] また、 F i g. 1 1はステッチコームブロックにおけるス テツチコームピース 24、 F i g. 1 2はニー ドルブロック におけるニー ドルピース 2 5、 F i g. 1 3はセパレ一 トブ ロックにおけるセパレータピース 2 6、 F i g . 1 4は ト リ コッ ト機に使用されるシンカーブロックにおけるシンカーピ ース 2 7、 F i g. 1 5はジャガー ドラッ ッ シェル機に使用 されるフラ ンチンガイ ドブロックにおけるフランチンガイ ド ピース 2 8を示し、 これら各ピース 2 4, 2 5, 2 6, 2 7 , 2 8の表面にはそれぞれ F i g. 1 0と同様に、 非晶質金 属層の被膜 2 3が形成されている。 なお、 F i g. 1 1〜F i g. 1 5において、 2 1はそれぞれの保持部である。
[0032] 上記のような各非晶質金属層の被膜 2 3は、 F i g. 1 6 に示すような真空装置 3 0を用いてスパッタ リ ングにより形 成される。 F i g. 1 6では、 F i g. 9に示すグラン ドガ ィ ドブロックにおけるガイ ドピース 2 2の多数本を一度に保 持しながら、 孔部 2 2 aを含むガイ ドピース 2 2の保持部 2 1に保持される部分を除く部分に、 非晶質金属層の被膜 2 3 をスパッタ リ ングにより形成するときの状態を示している。
[0033] F i g. 1 6において、 3 1は容器であって、 少なく とも 1 0 ~8T o r rの気圧に耐える構造になつている。 この容器 3 1には、 アルゴンガスの導入部 3 2および排気孔 3 3が設 けられているとともに、 その天井部から吊り下げた吊下部材 3 の下部に、 多数のガイ ドピース 2 2が装着されている。 ガイ ドピース 2 2は、 F i g . 1 7のように、 固定ラック 3 5と摺動ラック 3 6との間で、 これら両ラック 3 5, 3 6 に嚙み合う ピニオン 3 7に挟み込まれて取着されており、 摺 動ラック 3 6が矢印 3 8の方向に往復運動されることにより 、 ガイ ドピース 2 2はピニオン 3 7の往復回転に伴って矢印
[0034] 3 9のように往復回転される。
[0035] ガイ ドピース 2 2は、 F i g. 1 8に示すように、 ピニォ ン 3 7に設けられたスリ ッ ト 3 7 aに挟み込まれ、 適宜の固 定手段、 例えば、 ネジなどにより固定されるか、 あるいはピ 二オン 3 7を磁化して磁力により固定保持される。 前記摺動 ラック 3 5は、 F i g. 1 6に示すように、 摺動受け 4 0,
[0036] 4 0によりその両端が支承されており、 該ラック 3 5の一端 とモータ 4 1により回転される偏心輪 4 2とがロッ ド 4 3を 介して連結されている。 4 4は陰極板を構成する支持台であ り、 4 5は T a系のターゲッ ト材である。
[0037] 4 6はスパッタ電源であり、 陰極板 4 4と容器 3 1 とに各 々陽極と陰極の端子が接続されている。
[0038] 上記構成において、 まず、 排気孔 3 3より真空ポンプを用 いて容器 3 1内を減圧し、 導入部 3 2より導入したアルゴン ガスを充填して、 容器 3 1内を 1 0一4 T o r r以下とし、 ス パッタ電源 4 6に 4 0 0 Vの直流電圧を印加することで、 容 器 3 1とターゲッ ト材 4 5の間でグロ一放電が励起される。 このとき、 アルゴンガスのイオンはターゲッ 卜材 4 5に衝突 し、 ターゲッ ト材 4 5の構成原子がはじき出され、 この原子 が陽極側のガイ ドピース 2 2の表面に付着される。 このとき 、 ガイ ドピース 2 2は、 摺動ラック 4 6の往復動によつて強 制的に往復回転運動がなされているので、 ガイ ドピース 2 2 の穴部 2 2 aを含む全面に、 均一に被晶質金属層の被膜 2 3 が形成されることになる。
[0039] 以上のように形成された非晶質金属層 2 3は、 原子配列に 規則性がみられない結晶欠陥が均一に分布しピンホールがな い。 このような T a系のターゲッ ト材 4 5の使用により、 極 めて耐摩耗性、 靭性が高く、 また、 優れた耐食性を備えたも のが得られる。 また、 この実施例による非晶質金属層 2 3の 密着強度は 9 K g Z m m 2 にも達し、 極めて強い接合性が得 られた。
[0040] なお、 ターゲッ 卜材 4 5 としては、 上記のような T a系、 W系の他、 チタン (T i ) 系、 ジルコニウム (Z r ) 系、 チ タン一タングステン合金 (T i W) 系、 窒化チタン (T i N ) 系などの他の高硬度金属を採用することができるのはもち ろ/ υでめる。
[0041] なお、 上記容器 3 1中の空気と置換するガスと して、 実施 例にあげたアルゴンガスに代えて、 他の不活性ガスを採用で きることはいうまでもない。
[0042] 次に、 織機に使用される工具についての実施例を図面に基 づき説明する。
[0043] F i g . 1 9はウォータージエツ 卜のリー ド 5 1であり、 その断面は、 F i g. 2 0に示すように丸味をもった長円形 を成しており、 摩耗の大きい部分は両側面部 5 2, 5 3の個 所である。
[0044] このようなウォータージエツ 卜のリー ド 5 1に対するスパ ッタリ ングに際しては、 真空容器内を 1 0 ϋΤ ο Γ Γまで減 圧し、 アルゴンガスを注入して 1 0— 2T o r rに調整する。 そして、 F I G. 2 1に示すように、 リー ド 5 1を固定台 5 2の上に固定し、 その両側にタ一ゲッ ト材 (T a : 5 0 %、 F e : 3 5 %、 N i : 5 %、 C r : 1 0 %) 4 s 4 ' を 7 0 mmの間隔をおいて平行に設置し、 容器内壁とターゲッ ト材 4 , 4 *間に 4 0 0 Vの直流電圧をかけてアルゴンのグロ一 放電を発生させる。 これにより、 イオン化したアルゴン原子 はタ一ゲッ ト材 4, 4 ' を叩き、 スパッタ原子をはじき出し てリー ド 5 1の表面に付着させる。 上記のような加工を約 4 0分にわたり行なうことで、 5 の膜厚の被膜が形成される なお、 F i g. 2 2はエアージヱッ トルームのリー ド 54 を示し、 このリー ド 54についても、 上記と同様なスパッタ リ ングにより同様な被膜層を付着させた。
[0045] F i g. 2 3は、 この発明のさらに别の実施例で、 織機に 使用されるウォータージエツ トルームのヘルド 6 0を示して おり、 このへルド 6 0は、 全長 3 0 0 mm、 巾 2 mm、 厚さ 0. 2 mmで、 素材は S U S 4 0 3のしなやかな材質である 。 また、 その中央部には長穴 6 1が設けられ、 この長穴 6 1 に経糸を通糸する。 このへルド 6 0の場合は、 全体を均一に 成膜しても良いが、 長穴 6 1の周辺を 6 ^、 それ以外の部分 を 1〜 3 ^に成膜する場合について以下、 説明する。
[0046] F i g . 2 4は、 ヘルド 6 0に対してスパッタリ ングによ り被膜を形成する場合に使用する真空装置の要部を示し、 中 央部の長穴 6 1の左右両側に 5 0 mmの距離をおいて約 6 0 mmのターゲッ ト材 6 8, 6 8 ' を置き、 上記の各実施例と 同一条件にてスパッタリ ングを行なう。
[0047] この場合、 ヘルド 6 0に対してターゲッ ト材 6 8 , 6 8 ' は短いので、 必然的にスパッタ原子は長穴 6 1に多く到達し 、 ヘルド 6 0の先端部には少量付着することとなる。 実際に 膜厚が 5 を越える場合、 高硬度の膜はヘルド 6 0を強く曲 げた場合にクラックを生ずるので、 特に長穴 6 1の周辺を厚 く し、 その他の部分は滑性を良くするだけの効果が得られれ ば、 十分に有効である。
[0048] 次に、 通常のステンレス製 ( S U S— 4 3 0) のリー ドと 本発明によるものとの比較テス 卜の結果を示す。
[0049] 使用した経糸はポリエステル 5 0 d、 密度 1 0 0本 Z吋、 緯糸の打込み密度 1 0 0本 吋の平編物においてウォーター ジェッ トルームを 8 0 0回ノ分の速度で運転した。 通常のス テンレス製リー ドの場合は製織長 3 0 0 0 mでキズが認めら れ、 3 5 0 0 mで経糸にも毛羽立ちが見られた。 これに対し て本発明品の場合は 7 0 0 0 mを越えてもキズは認められな 力、つた o
[0050] F i g. 2 5はこの発明に係る編織機、 縫機用工具のもう 1つの実施例を示し、 経編機に使用されるニー ドル 7 0およ びトングユニッ ト 7 1の表面に非晶質金属層の被膜 2 3を形 成したものであり、 さらに、 F i g. 2 6はこの発明に係る 編織機、 縫機用工具のさらにもう 1つの実施例で、 細幅織機 に使用されるニー ドル 8 0、 緯糸揷入器 8 1およびホルダ 8 2といった織製要素の表面に非晶質金属層の被膜 2 3を形成 したものであり、 これらの場合も上記各実施例と同様な効果 を奏する。 産業上の利用可能性
[0051] 以上のように、 この発明の編織機、 縫機用工具は、 編成, 織製時あるいは縫製時に糸と接触したり、 摩擦する部分の一 部または全部に、 非晶質固体層からなる被膜を形成すること により、 その部分の摩耗を極力抑制し、 摩耗にともなう毛羽 立ちや糸切れといった トラブルの発生を防止するとともに、 被膜のもつ耐食特性により糸やその設置環境を原因とする腐 食を防止することができる。 しかも、 被膜が原子配列に規則 性がなく、 結晶欠陥が均一に分布している状態の非晶質固体 層から形成されているので、 この種の工具における機能を確 実に発揮させる上で必要不可欠な靭性を十分に確保し、 機能 性および耐久性ともに優れた編織機、 縫機用工具を提供する ことができる。
权利要求:
Claims請求の範囲
( 1 ) 糸と接触あるいは摩擦する編織製要素あるいは縫製 要素が鋼材を主体として構成された編織機あるいは縫機用ェ 具であつて、 上記編織製要素あるいは縫製要素の一部または 全部に、 非晶質固体層からなる被膜が形成されていることを 特徵とする編織機、 縫機用工具。
(2) 非晶質固体層の主成分が S i C、 A 1 n 03 、 Z r 02 、 C r 2 Og などのセラ ミ ックからなるものである請求 の範囲第 1項記載の編織機、 縫機用工具。
(3) 非晶質固体層の主成分がタンタル系、 タングステン 系などの高硬度金属である請求の範囲第 1項記載の編織機、 縫機用工具。
(4) 被膜は非晶質固体層の厚い部分と薄い部分とを有し ている請求の範囲第 1項、 第 2項または第 3項記載の編織機 、 縫機用工具。
( 5) 被膜は非晶質固体層の厚い部分と薄い部分とが連続 して形成されている請求の範囲第 4項記載の編織機、 縫機用 工具。
( 6) 非晶質固体層の厚い部分が 0. l〜5 ju mの厚さに 形成されている請求の範囲第 2項に記載の編織機、 縫機用ェ 具。
(7) 非晶質固体層の厚い部分が 1〜 1 0 mの厚さに形 成されている請求の範囲第 3項に記載の編織機、 鏠機用工具 o
(8) 編織製要素あるいは縫製要素の主体となる鋼材面と 被膜との間に、 予め金属メ ツキ層が形成されている請求の範 囲第 1項記載の第 1項、 第 2項または第 3項記載の編織機、 縫機用工具。
(9) 被膜を形成する非晶質固体層がスパッタ リ ングによ り形成されたものである請求の範囲第 1項、 第 2項または第 3項記載の編織機、 縫機用工具。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP0485633A4|1992-11-19|
EP0485633A1|1992-05-20|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1991-12-12| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): KR US |
1991-12-12| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU NL SE |
1992-02-04| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 1991910628 Country of ref document: EP |
1992-05-20| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1991910628 Country of ref document: EP |
1994-01-03| WWW| Wipo information: withdrawn in national office|Ref document number: 1991910628 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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